小林慎太郎のブログ

ラブレター代筆、プレゼンテーション指導、スピーチライティングなどをサービスとして提供するデンシンワークス(dsworks.jp)代表、小林慎太郎のブログ

誰かを「想っている人」のこと。

ラブレターを代筆する際、詳細のヒアリングのため、依頼者と直接お会いしている旨を伝えると、「え!?会うんですか?怖くないんですか?」と、たまに驚かれる。

 

「怖い?」

「そう。だって、どんな人が来るかわかんないじゃないですか?それに、ラブレターの代筆をお願いする人って、すごい想いが強そうだし、結果がダメだった時が大変そう・・・」

 

怖い、という発想はなかったが、確かに、そういう考え方もあるな、とは思う。ただ、僕が男性だからということもあるだろうが、この仕事をはじめる際、怖そうだな、という発想はなかったし、実際、怖い思いをしたこともない。皆さん、良識的で、常識的だ。

 

想いを寄せる人に対して、ラブレターで気持ちを伝えようとする人たちだ。怖いはずがない。不誠実なはずがない。

 

 

この仕事をはじめて気づいたことがある。

それは、誰かに「想われている人」より、誰かを「想っている人」の方が、魅力的ということ。

 

切実で、真剣で、深刻で、不器用で、実直なその表情を、僕は愛する。

 

 

先日、とある女性の依頼者の方と話をしていて、その方には約一年間片思いを続けている男性がいるのだが、「私、一年も何してるんでしょうね。まったく振り向いてもらえないのに、ずっと想ってばかりで、疲れちゃいました・・・。無駄な時間ですよね」と言われた。

 

疲弊した言葉とは裏腹に、表情は、生きていた。

恋愛感情とかそういうことではなく、ステキだな、と思った。

 

 

想う、という行為は、当たり前のようでいて、当たり前ではない。

想う対象が、いつだってあるわけではないし、いつだっているわけではない。それらがあるということは、とても貴重なこと。

 

「無駄な時間ですよね」

 

依頼者の言葉に、僕は具体的な言葉を返すことなく、黙って耳を傾けているだけだったが、

 

「どうでしょう、ステキな時間だと思いますけど」

 

本当は、そう言葉をかけたかった。

いつだってあるわけではないし、いつだっているわけではないのだから。